2015年1月14日水曜日

ゴッホ没後125年






2015年はフィンセント・ファン・ゴッホの没後125年を迎える。この記念すべき年に、ゴッホの故郷オランダでは「Van Gogh 125-125年にわたるインスピレーション」と題し、オランダ各地でゴッホの生涯と作品、さらに現在に至るまでの、ゴッホが後世の画家に与えた影響を振り返る展覧会が開催される。

チューリップで有名なキューケンホフでは花を使ってゴッホの自画像が再現され、ゴッホ生誕の地ズンデルトではフラワーパレードが行われる予定。また、ズンデルトや、《馬鈴薯を食べる人々》を描いたニューネン、ゴッホが暮らしたエッテンをつなぐサイクリング・コースが整備され、ゴッホが描いた土地をゆっくりと、景色を楽しみながら巡ることもできる。さらにゴッホが暮らしたニューネンでは、オランダ人アーティスト、ダーン・ルースガールドによるゴッホが描いた《星月夜》をイメージしたサイクリングロードが昨年11月12日に完成した。夜になると道路に埋め込まれた石が発光して輝き、とても幻想的な風景が広がる。

Vincent van Gogh, Sunflowers, Arles,
January 1889, oil on canvas, 95 cm x 73 cm,
Van Gogh Museum, Amsterdam
(Vincent van Gogh Foundation)
ゴッホの没後125年で盛り上がるオランダであるが、ゴッホの生涯と作品を知るうえで決して外せないのが世界一のゴッホ・コレクションを誇るファン・ゴッホ美術館クレラー・ミュラー美術館である。

ゴッホ美術館は2015年に先立ち、2014年11月28日より館内の展示が大幅にリニューアルされた。所蔵するゴッホの手紙や豊富な一次資料、修復によって得られた貴重なデータを作品とともに展示し、より深くゴッホの生涯と作品を知ることができる展示になっている。9月25日からは企画展「ムンク―ファン・ゴッホ」が開催される。苦悩に満ちた人生が作品に大きな影響を与えたことは、このふたりの偉大な画家に共通し、ムンクがパリに訪れた際にはゴッホの作品を研究していたというつながりもある。二人の繊細な感性から生み出される作品から二人の共通点と相違点を探っていく。

クレラー・ミュラー美術館では4月25日より「ファン・ゴッホと仲間たち」展が開催される。約50点の作品を展示して、初期から晩年まで同時代の画家たちの作品と比較展示することでゴッホの創造性を探る展覧会である。

ゴッホ関連のイベントがオランダで40以上、そのほかフランスとベルギーでも予定されている。詳しくはウェブページ「Van Gogh Europe」の「Van Gogh 125」(http://vangogheurope.eu/program2015/)を参照のこと。